たとえ中国が台湾侵攻に「成功」したとしても、それは歴史的規模のピュロスの勝利(損害が多すぎる割に合わない勝利)に終わるだろう。
まず直接的被害を考えよう。
台湾に最も近い中国の3省(広東、福建、浙江)は、中国GDPの22%、人口の17%を占める。1年間の紛争で中国のGDPは25〜35%減少する。米国の減少幅5〜10%と比べれば、その打撃の深刻さがわかる。
海運混乱だけでも第2次世界大戦以来最悪の規模になる。中国最大級の港湾6つが紛争地帯内にあり、世界のコンテナ船団のほぼ半数が台湾海峡を通過している。中国貿易が完全停止すれば、世界GDPから2兆6000億ドル(世界生産高の3%)が消失する。これはフランスの経済規模を上回る損失だ。
台湾の半導体支配が、このコストをさらに跳ね上げる。台湾は世界の半導体の60%、先端チップのほぼ90%を生産している。TSMCは、経済学者が「単一障害点」と呼ぶ存在だ。
マドゥロ排除が石油市場を揺るがす程度なら、台湾の機能停止は家電、自動車、医療機器、防衛システムの生産を全先進国で同時停止させる。初年度の損失を5兆ドルと推計している。