中華人民共和国は「一瞬たりとも、台湾を領有したことも支配したこともない」という歴史があり、それが現実であることだ。
繰り返すが、中国共産党にとって台湾は「失われた領土」ではない。だから台湾有事は明らかに「侵略」である。
だがこう伝えても、ほとんどの人が、台湾は日清戦争で日本に割譲されたのだから、イギリスから返還された香港と同じように中国に戻るのが歴史の必然だと思っている。これはとんでもない勘違いだ。
香港は紀元前の秦王朝の時代に行政に組み込まれていたので、中国領土だったことに間違いない。しかし台湾が中国の行政下に入ったのは明の末期から清にかけて、漢民族が王朝の圧政から逃げて住んだ平地部だけである。
当時の台湾は高砂族に代表される先住民が圧倒的多数を占め、山岳地帯が90%を超える台湾島を清王朝が支配することは不可能だった。
日清戦争で日本が領有したが、第二次世界大戦に日本が敗北すると、台湾で独立運動が始まった。ここで大事なことは、当時、蒋介石が率いる国民党と闘っていた毛沢東が、台湾の独立を支持していたことだ。