双極症では視床興奮性神経細胞、とりわけ視床室傍核神経細胞が約半数に減少していることが判明した。
また視床・大脳皮質を通じて最も遺伝子発現変動が大きかったのは「視床室傍核」と呼ばれる部位であり、シナプス伝達やイオンチャネル機能に関わる遺伝子群が顕著に低下していた。発現が低下した遺伝子にはCACNA1CやSHISA9など双極症の遺伝学的リスクと関連する遺伝子が多く含まれていた。
視床室傍核はセロトニン神経からの強い投射を受け、恐怖に関与する扁桃体や報酬に関与する側坐核へ投射する部位だ。マウスの実験では視床室傍核を抑制しても刺激しても反復性のうつ様行動を示すことから、今回見いだされた変化は双極症の結果ではなく原因であると考えられている。