投稿者: | 2026年7月17日

2016年にAlphaGoが李世ドル九段を破った後、囲碁界で起こったことは、敗北というよりもむしろ変革の物語と表現する方が適切だろう。序盤で行われた3-3侵攻、いわゆる直接3-3は、現代囲碁の正統派では時期尚早な「悪手」として退けられていたが、AIがそれを習慣にした途端、ほぼ一夜にして定石となった。プロ棋士は今や当然のようにAIと練習し、自分の手とAIの手との勝率について語る。2023年に米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された研究では、1950年から2021年までのプロ棋士の対局から580万手以上を分析し、AlphaGo以降、プロ棋士の手の質と斬新さが統計的に有意に向上したことを示した。機械による敗北は、人間の進歩という形で実を結んだのだ。

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