西ゲルマン語群の西の果ての英語などは、ゲルマン語派の中でも極めて例外的な存在です。フランス語話者によって政治的に支配されていた期間が大いに効いており、語彙に占めるラテン語由来のシェアが6割前後と(ゲルマン語派の中では)高いことで知られています。
これが例外的であることは、ドイツ語の場合はこのシェアが2割に満たないことと対比すると明快です。オランダ語などは特に英語との距離が近いことで知られていますが、それでも語彙中のラテン語由来シェアは2割を大きく超えないようです。
それでも2割ある、という背景には、科学や工学、法律や管理、ならびに宗教に関する語句を中心にラテン語由来の語彙が学問を支えているからです。逆に言うと、身体感覚や生活に密着した、学問から遠い語彙ほど、ラテン語の影響を被りにくかった、と考えるといいでしょう。