この自分が、毒に冒されたというのなら――真実こそが毒なのだろう。
純粋な酸素が生体にとって有害であるように、剥き出しの真実は、ヒトの精神を破壊する。
酸素は5倍の窒素で包まれてはじめて、大気として許容される。同じことだ。戯れ言で希釈された片鱗だけの真実を呼吸することで、人は健やかなる心を維持できるのだ。虚淵氏:
あれは子どものころに科学番組やドキュメンタリーを見て感じた、「ショック」のようなものが根底にあるんだと思います。酸素について「それがないと人間は死んでしまうのに、鉄を錆びさせる原因でもある」と知ったとき、「えっ、それって毒じゃん!」という驚きです。
そういった意味でも、少年時代にサイエンス番組をたくさん見ておいて本当によかったですね。