投稿者: | 2026年7月31日

佐藤 激しい定跡は、ほぼ網羅されているはず。だからいま、右玉みたいなことを模索されているんだと思います。後手も玉を左に囲って激しく攻め合う系統とは違う、評価をキープできる方向性として、右玉が最新のテーマのひとつだと思うんです。

渡辺 右玉もだいぶ細分化されていて、定跡形になってきていて、もはや力戦の戦法ではなくなってます。

佐藤 いまはAIの定跡もあるので精度の高い研究ができる。先手がどうすれば作戦勝ちになりやすいかというのもわかりかけてる。

渡辺 僕みたいに、右玉がそもそも指せない人はけっこうキツイいっすよ。(いままで)やってきてないんだもんずっと。あり得ない戦法だっていう価値観でやってきたので。

佐藤 渡辺さんの棋風に合わないところがありますからね。

渡辺 玉が4筋から6筋にいるのはあり得ないという感覚で僕はやってきてるわけですよ。居飛車だろうが振り飛車だろうが、7筋(3筋)から端に玉がいないといけないという価値観でずっとやってきたので、それをいまから軌道修正するのは相当無理です。この間やった天彦さんと佐藤康光さんとの対談で康光さんが「いまからやるくらいなら、もう(棋士を)やめたほうがいい」的なことを言ってたけど、それはそうだなと聞いていて思いました。自分の中の評価軸が玉は端にいて堅いのが正義になっちゃってるから、それをいまから書き換えるのは相当大変です。相掛かりや横歩取りを除いて5八玉型の中住まいで相居飛車を戦ったことはほぼない。

渡辺 藤井、伊藤匠、永瀬とかその辺って、勝負将棋でも普通に右玉やるじゃない。彼らの中では力戦ではなく、他の戦法と同じぐらい信頼してやっている。それがすごいよね。

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