家族の話が描かれている第10話「ワンダーフォーゲル」に関しては、実は監督の要望で当初のシナリオから大きく変更しています。僕のシナリオでは、襖越しに会話の後は父親は見送りに来なくて、玄関先の折った枝に新しいアパートの鍵がかけてあるというラストでした。第4話「感謝(驚)」もそうなんですが、僕個人としては最終的に分かりあって、めでたしという方向にするつもりはなかったんですね。
ある程度のところまで書いたら、余白を持たせておこうと。仁菜と父親の関係も分かり合えないままの部分はあるけれども、お互いこの先前に進むしかないという形にしたかった。でも、実際にお子さんがいる監督として、同じ父親の目線に立ったら、やっぱりしっかり送り出したかったんだろうなと思いますね。
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