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──ということは、主人公はキマリではなく報瀬だったのですか。

花田  そうです。最初は報瀬でした。ただ、監督から「報瀬が主人公だと話が重くなり過ぎる」と言われまして。あと、彼女が主人公だと彼女の話にしかならない、だから主人公の横にいる子にした方がいいんじゃないという意見もあって、それであの形になったんです。それに関しては、僕は今も素晴らしい意見だったなと思っています。

──よくベテランのライターは「主人公は成長しなければならない」ということを言いますが、そういう視点で見ると、やっぱり主人公は途中で髪を切る報瀬なんですよね。

花田  そうなんです。逆にキマリは最後まで目に見えて分かるような成長はない。変わるのは親友のめぐみなわけで、そういう意味では結構傍観者なんですよね。キャストの水瀬さんも「私、印象的な台詞がない」と仰っていましたけど、ただ、そういう周囲の状況を客観視する人物の方が、この後色んなものを見てきっと大きく成長していくんだろうなと思わせることができる。その主人公にとってのここから始まる感は作品のラストに前向きに明るさを残してくれた気がします。

──そういうことで言うと、特に人物の捉え方なんかは新しい感覚ということになるんでしょうね。主人公は成長しなければならないという方程式で考える人はなかなかそういう物語は書けませんから。

花田  僕も最初に報瀬を主人公として考えたのは、そういう方程式からだったんです。一番ドラマがあるのはこの子だからという考え方で書くと彼女を主人公にするのが自然ですから。でも、お客さんの目線で考えると、脇にいて客観的に見ている人を自分に重ねるという人が今は多くなっている気もしたんです。それも時代的なところが大きいのかなと思いましたが。

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