箸渡しは、葬儀の「骨上げ」と呼ばれる儀式で行われる所作です。骨上げでは、二人一組になり、それぞれが箸を持って遺骨を拾い、箸から箸へと渡して骨壺に納めます。
日本では、この行為を「あの世への橋渡し」と捉えており、「箸」と「橋」の音が同じことから、故人が三途の川を無事に渡れるよう願いを込めて行われています。葬儀という特別な場面の所作を日常の食卓で再現するのは縁起が悪いとされるのです。
日本では伝統的に「死」や「葬儀」を縁起が悪く、穢れたものと考える傾向があります。そのため、葬儀で行う特別な儀式を普段の生活に持ち込まないようにする風習があります。
食事は本来、楽しく明るい時間であるべきですが、箸渡しの行為が葬儀や死を思い出させる可能性があります。特に最近近親者を亡くした人にとっては、つらい気持ちを呼び起こす原因にもなるため、相手への配慮としても避けるべきでしょう。
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