バングラデシュが極度の貧困から脱却できたのは、政府による劇的な再分配政策によるものではなく、急速な経済成長によるものだ。1990年以降、同国の生活水準は4倍以上に向上し、パキスタンを抜き去った。

20年前なら、ほとんどの服に「Made in China（中国製）」と書かれたラベルが付いていたでしょう。しかし今では、「Made in Bangladesh（バングラデシュ製）」と書かれている可能性も高いでしょう。

多くの発展途上国が未成熟な産業空洞化に見舞われている中、バングラデシュは輸出主導型の製造業の奇跡として称賛されている。バングラデシュの既製服（RMG）輸出は、現在中国に次ぐ第2位であり、2015年には同国を低中所得国へと押し上げる原動力となった。…既製服産業が牽引する労働集約型の輸出志向型製造業は、バングラデシュの近年の経済成長の礎となっている。

さらに、この産業は約400万人を直接雇用し、間接的には経済の他の分野で約1,000万人の雇用創出に貢献しています。総工業生産の約3分の1を占めるRMG産業は、過去8年間で年平均10.5%の成長率を記録しています。…低賃金のおかげで、バングラデシュのRMG輸出業者は、産業の創設以来、競争力を維持してきました。

事実、国は最初から豊かになるのではなく、貧しい状態から始まり、人々が望むものを作る方法を見つけることで豊かになるのです。バングラデシュや他の発展途上国では、（総価値創造の観点から）最も価値のあるものの作り方を編み出しました。その服を作るには、劣悪な環境の工場、つまりスウェットショップで人々を低賃金で働かせる必要がありました。これは、初期の工業化期におけるイギリスやアメリカでも同様でした。バングラデシュは、まさに私たちの轍を踏んでいるに過ぎません。

(スウェットショップよりも悪いのは、スウェットショップがないことだから)