例えば令和2(2020)年7月2日生まれの者は、令和20(2038)年7月1日限り(同日の24時)をもって満18歳になります(「うるう年をめぐる法令」参照)。では、仮に同日(18歳の誕生日の前日)が選挙期日とした場合、投票を行うことはできるでしょうか(選挙人名簿には登録されているとします。)。
これに関し、選挙実務上、選挙期日の翌日に18歳の誕生日を迎える人までが選挙権を有することになるとされています。
「被選挙権に関する公職選挙法10条2項において、年令は選挙の「期日」により算定すると規定されており、この被選挙権に関する規定は選挙権についても類推適用されると解すべきであり(中略)満20年に達する(中略)出生応当日の前日の午後12時を含む同日午前0時以降の全部が右選挙権取得の日に当るものと解することができる」
では、選挙期日の翌日に18歳の誕生日を迎える者は、仕事や旅行などで選挙の期日に投票を行えない場合、期日前投票を行うことができるでしょうか。期日前投票を行う日を基準にすれば18歳未満ですが、選挙の期日を基準にすれば満18歳ということになります。この点、公職選挙法では、期日前投票については「選挙の当日」ではなく「投票の当日」選挙権を有することが要件とされています(第43条括弧書)。したがって、投票の当日は18歳未満であるため、残念ながら期日前投票を行うことはできないということになります。
では、不在者投票についてはどうでしょうか。公職選挙法では、不在者投票については原則どおり「選挙の当日」に選挙権を有することが要件とされており、投票用紙を提出する時点では18歳未満であっても、不在者投票を行うことはできるということになります。
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