若いときにSNSがあったらどうなっていたと思うかを問うと、
「それはバッハがシンセサイザーを持っていたらどうなっていたか、って類いの『もしも』ですよね」と笑いながら振り返ってくれた。
「好奇心が強いし、フットワークは軽いので、東京郊外から本当に網の目のように東京中を行動していましたよ。今だったら検索すればすぐ出てくることを、実体験としてその場に行って体験し、蓄積してきているんです。もしSNSがあったら、それに頼っちゃっていたのかな。SNSがなくて良かったなとは思います。実際に行って、そこの空気を吸ったり、会話を耳にしたりすることのほうが、生きた情報の量が多いじゃないですか」