口座数では日本最大手証券会社の野村證券を超えた、SBIホールディングスの傘下のSBI証券の前身が誕生したのは、何と第二次世界大戦中の1944年でした。といってもSBI証券などという洒落た名前を用いていたはずはなく、当時の社名は大沢証券でした。
おそらく聞いたことのない証券会社だと思います。それもそのはずで、1998年時点で持っていた支店数は5店舗。従業員は65名という小さな証券会社でした。それが折からの証券不況によって業績が悪化し、経営危機に陥っていたのです。それを救ったのが、ソフトバンクです。
当時、マネックス証券をはじめとしてインターネット証券が次々に立ち上がるなか、ソフトバンクも証券ビジネスに参入する機会をうかがっていました。とはいえ、証券会社のための準備会社を設立し、東京証券取引所の会員権や証券取引を行うための免許を取得するには、時間がかかります。
そこはさすが孫さんと言うべきか、その時間を節約して、一気に証券ビジネスへ参入するため、その両方を持っている大沢証券を買収したのです。そして、米国のE*TRADEグループと共に合弁会社である「イー・トレード株式会社」を設立し、ソフトバンクグループがその株式の58%を取得することになりました。