当時、いくら請求すべきか見当もつかなかった。私はフルタイムの人事担当として働き、最低賃金をわずかに上回る程度の収入しか得ていなかったため、執筆で生計を立てるにはどの程度必要かを考え、自分の時給換算額を引き上げることにした。1冊の本にかかる期間を試算した結果、1〜18カ月のプロジェクトに対して月額200ドルという料金を設定した。
しかしこれは壊滅的な安値の設定だった。そのことは、経験豊富なゴーストライターに助言を求めた際に思い知らされた。彼は1つ原稿を最低でも7万5000ドル(約1200万円)を請求していたのだ。その事実に衝撃を受け、少なからず落胆した。当時の私は、最初の数冊を時給20ドル未満で書いていたことになる。
私はこのささやかな副業収入を元手に、いわば無一文から成功への物語を歩むこととなる。料金を徐々に引き上げるのに6年を要したが、2017年には年収が初めて10万ドル(約1600万円)を超えた。
それ以降、数年にわたり数十万ドルの年収を達成している。私は、時間ではなく価値に基づいて料金を設定することを学んだ。例えば、あるCEOが戦略的な新規案件獲得のために出版を計画し、その結果として数十万ドル規模の受注が見込まれるのであれば、制作費としての7万5000ドルは割安になる。