20年以上にわたってピクサーに勤務したクレイグ・グッドは、同社の警備員として働き始めたが、退社する時にはテクニカルチームの一員として伝説的な存在になっていた。彼はスティーブ・ジョブズにいきなりメールを送った時のことを、次のように語っている。グッドはピクサーの前身であるルーカスフィルムで社内の警備・施設管理部門に所属していたが、会社が自前で警備を行うほうが、外部の警備会社に委託するよりもはるかに効果的だと思っていた(彼は警備会社での勤務経験もあった)。
そこで、ピクサーがエメリービルに新たに本社ビルを建てることになった折に、「私はスティーブにメールを送り、持論を述べました。警備は社内で、自分たちのチームで行うべきであり、他社に外注すべきではないと。プロジェクトを担当していたトム・カーライルにもCCで送りました。そしてスティーブから簡潔な返事が来ました――『100%賛成だ』。1週間ほど経った後、食堂でトムを見つけたので、例の件はどうなるのか尋ねたところ、トムはこう言いました。『僕の経験からして、スティーブがああいう返事をした場合、それ以上の議論は必要ないよ』。こうしてピクサーの保安・警備は社内で運営することが、エメリービルへの移転前に決まったのです」