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「他力本願」は、もっぱら他人の力をあてにする、他人まかせという意味で、いろんな場面で使われています。これはたいへんな誤解です。

 親鸞聖人(しんらんしょうにん)は『教行信証(きょうぎょうしんしょう)』に「他力(たりき)といふは如来(にょらい)の本願力(ほんがんりき)なり」と明示しておられます。

 だから、他力とは、他人の力ではなく、仏の力、阿弥陀仏(あみだぶつ)の慈悲のはたらきをいうのです。

 仏さまの生きとし生けるものを救わずにはおれないという強い願いのはたらき、これが「他力本願」なのです。