ディグニティはローマ法に由来する歴史的に古い概念ですし、欧州の人たちにとっては非常に重たい概念であるという共通認識があります。ですから人間同士ではなく、機械が人間に対して善悪や生死を判断することは、ディグニティに対する許しがたい侵害だと捉えられるのです。

ディグニティの侵害に関する最悪のケースのひとつとしてよく語られるのが、アウシュビッツです。人間を収容所に送り込む作業を効率化したのが、IBMのパンチカードとカード選別システムでした。これを活用して人々の属性や個人情報を登録していたことで、ナチスは効率的にユダヤ人を収容所に送り込むことができたとされています。つまり、そこでは機械による人間の“自動選別”があったというわけです。

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