優れた科学者が発見をし、それが国家の戦争勝利につながった歴史上の事例は数多くあります。中でも最もよく知られているのは、第二次世界大戦におけるものです。マンハッタン計画に参加し、アメリカ初の核兵器開発に貢献した物理学者たちと、ナチスの暗号通信を解読したブレッチリー・パークの数学者たちです。
しかし、エンリコ・フェルミ、レオ・シラード、アラン・チューリングらが連合国の勝利に貢献したにもかかわらず、彼ら自身は政治的に大きな権力を握ることはなかったことは注目に値します。彼らはフランクリン・ルーズベルト、ウィンストン・チャーチル、ハリー・トルーマンといった既存の連合国指導者の力を強化しました。
なぜなら、情報だけでは原子爆弾の製造やナチスのメッセージを解読するには不十分だったからです。科学者たちの洞察を実用化するために、政府はウラン濃縮やナチスのメッセージの傍受など、膨大な資源を動員する必要がありました。そのため、フェルミやチューリングほど知能が優れていなかったにもかかわらず、連合国の指導者たちは戦争遂行全体を統制する上で何の問題もありませんでした。
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