小説の映画化がうまくいかない理由はほとんど一緒です。私はたくさんの映画を見てきました。大の映画ファンです。よく知られた名作の映画化がうまくいかないときの理由の98%は、映画製作者が原作に忠実すぎることです。
私は小説を書くだけでなく、脚本も書いてきたので、小説と映画の形式がいかに異なるかを理解しています。小説に書かれていることを映画に移し替えるには、膨大な作業が必要とされますが、それはたいてい過小評価されている。ページ上ではとてもうまくいっていることでもスクリーン上ではまったくうまくいかないことが多いのです。
また、小説の映画化がうまくいかないのには、もう一つの理由があるように私には思えます。それは原作に物語のすべてが用意されていると考え、想像力をはたらかせることを怠ってしまうことです。「原作では、こんなことが起きている。ではそのままやってみよう」という誘惑に駆られてしまうのです。でも、実際に小説を映画にするには、オリジナル脚本を書くのと同じぐらいの想像力をはたらかせる必要があります。映画という形式では、何がうまくいくのかをじっくりと吟味しなければならないのです。
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