湿疹のある子どもは、食物アレルギーのリスクが2～6倍高くなります。湿疹のある乳児の5人に1人が食物アレルギーを患っていたのに対し、湿疹のない乳児ではわずか25人に1人でした。これは5倍もの差です。なぜこのようなことが起こるのでしょうか？皮膚バリアが損なわれているからです。

湿疹のとき、皮膚には何が起こっているのでしょうか?
バリア機能の崩壊。フィラグリン遺伝子の変異は、皮膚の表皮層を弱めます。湿疹患者では掻きむしりや炎症が顕著で、この皮膚保護バリアをさらに損傷し、アレルゲンや微生物の侵入を容易にします。そして、微生物は無実の傍観者ではありません。黄色ブドウ球菌は、かゆみに敏感な感覚ニューロンを活性化するV8と呼ばれるプロテアーゼを放出することで、かゆみを直接引き起こします。これが、かゆみと掻きむしりの悪循環を引き起こし、バリア機能の損傷を悪化させます。