餅の主成分であるもち米のデンプン「アミロペクチン」は消化酵素による分解を受けにくく、餅つきの過程でさらに消化されにくい構造へと変化します。餅イレウスの最大の罠は「温度変化」にあります。加熱すると伸びる餅も、体温程度まで温度が低下すると硬くなります。温かく変形しやすい状態のまま胃の出口を通過しますが、小腸へと進む過程で温度が下がってくると、腸壁に付着し、腸管を閉塞させてしまいます。これが「餅イレウス」の正体です。
発症すると、おおむね24時間以内に腹痛や嘔吐に襲われます。鼻からチューブを挿入して腸内の圧力を下げる「減圧治療」が行われますが、ひどい場合は外科手術を行うこともあります。
餅は噛んでも細切れになりにくいため、最初から「小さく切って」提供することが最大の防御です。