「次は三度上のハーモニーで」「今度は三度下で」と細かく指示を出しても、彼は即座に応じてしまう。コーラス入れがたったの30分で終わってしまいました。おそらく彼はそんなに深くは考えていない。感覚的にパーフェクトなものをすぐ出せるんでしょう。

『ワインレッドの心』もまさに玉置にしか歌いこなせない曲ですよね。メロディーが低音から高音へと一気に上がる〈今以上 それ以上 愛されるのに〉というサビ部分は、普通の歌い手なら多少なりともブレるものですが、彼はそれが一切ない。

〈あんなにも 好きだった〉と始まる『メロディー』も強弱の使い分けが絶妙でしょう?歌い出しのAメロは玉置が囁くように、しかも正確に歌うからこそ聴き手は曲の世界に引き込まれるわけです。でも普通はピアニッシモで歌うとピッチがぶれやすい。

あるいはピッチを合わせようとして歌が強くなる。玉置はここをギリギリまで抑えて、サビの〈メロディー 泣きながら〉で一気に声を張ります。

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