米国では、ParaというDoordashドライバーの収入増を助けるアプリを提供する会社があった。Doordashドライバーの収入の大部分はチップから来るが、Doordashのアプリは仕事を引き受けるまでチップ額を隠蔽する。つまり、チップを含めて1.50ドルの仕事なのか11.50ドルの仕事なのか、引き受けるまでわからないのだ。そこでParaはチップ額を抽出し、ドライバーが仕事に取りかかる前に表示するアプリを作った。
しかしDoordashはそれを停止させた。なぜなら米国では、Paraのようなアプリは違法だからだ。1998年、ビル・クリントンはデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に署名した。DMCAのセクション1201は、「著作権で保護された素材のアクセスコントロールを回避すること」を重罪とし、初犯でも50万ドルの罰金と5年の懲役刑を科している。そのため、Doordashアプリのようなアプリのリバースエンジニアリングをするだけで潜在的な重罪となる。それゆえ、企業はウェブサイトではなくアプリを使わせることに血眼になっている。
ウェブはオープンで、アプリはクローズドである。ウェブユーザの大多数は広告ブロッカー(これはプライバシーブロッカーでもある)をインストールしている。しかしアプリの広告ブロッカーをインストールする人はいない。なぜならそのツールを配布すること自体が重罪であり、それを作るにはアプリのリバースエンジニアリングが必要だからだ。アプリとは要するに、あなたが企業の利益ではなく自分の利益に合わせて修正しようとすれば刑務所行きになるよう、十分なIPでくるまれたウェブサイトにすぎないのである。
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