私たちの現在の音楽のパラダイムは、12平均律という文化的ヘゲモニーの下にあって、ハーモニー表現のパレットはとても限られている。

ハーモニーの標準化は人びとの音楽に対する認識にも大きな影響を与えている。例えば、完全四度音は「美しく調和的」、三度音は「不気味で極悪非道」とか、音程に対しては様々な文化的固定観念があるけど、これは標準化によって植え付けられた非常に還元的で単純化された認識のあり方。

少し聴いてみただけで、ああ、これは悲しい歌なんだなとか、楽しい歌なんだなと分かってしまうような音楽を自分がやりたいとは思わない。むしろ私は楽しいコードなのか悲しいコードなのかがまったく分からないような曖昧で複雑な音楽を好む。何回も繰り返し聞くことによって、理解がまったく変わってしまうような音楽ね。例えば、最初に聞いた時は、悲しかったり、不気味な感じがするんだけど、10回くらい聞いてみると、突然、恍惚として幸せな気分になったりするように。

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