カメラが19世紀に登場した際も、手描きの肖像画と機械で撮った写真のどちらに価値があるのかという議論があった。のちにシャッターを切るだけで目の前の情景を写しとれるようになった道具によるものと、数十年の経験をもつ画家が描いたものを比較したとき、技術的な労力は後者が圧倒的に大きいが、現実の対象に近いのは写真のほうだった。
しかし、写真の登場が芸術を滅ぼしたわけではない。むしろ、芸術家たちはカメラという新しいツールに刺激され、印象派のような新しい表現を生み出した。同様に、AIの普及はわたしたちのクリエイティビティの定義を変えるかもしれないが、人間ならではの表現の価値を否定するものではない。
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