「東野さんに相談したら、“落語、聞いたら?”って言うんですよ。“いや、それ東野さん、古典芸能はないですって”。“いや、(桂)枝雀さん、おもろいから聞いてみ?”と言われて。いやぁ……落語はちょっと……みたいな感じやったんですけど、先輩に言われたし、次会うたときに“聞いた?”と言われて“聞いてないです”とは言えないので、一応、という感じで桂枝雀さんのCDを聞いたんです。
そうしたら、その中に『高津の富』というネタがあるんですけど、“あれ?面白いやん”と惹きつけられたんですね。枕でまずちょっと引っかかって、これは……と。落語っておじいちゃん、おばあちゃんの聞くものちゃうの?って思いこんでたんですけど、ちゃうんやな、と。そこから興味がでて、枝雀漬けですよね。
CD聞いて、DVDは全部見て。これすごい芸能やなって。DVD観てたらやりたくなってくるじゃないですか。勝手に真似て覚えてやってみて。そうしたら、わかったんです。“あ、これ新喜劇や”って。全部一人でやる新喜劇。おばあちゃんもおじいちゃんも子どもも出てくる。泣きもある。新喜劇を一人でできるんだ、と気付いた時には“やったー!”って声出して言いましたね。本当に人生でやるべきこと見つかった!って」
もし気に入ったら購読料お願いします