数年前、マスク氏はグーグルの共同創業者であるラリー・ペイジ氏と人類の未来について激しい議論を交わした。マスク氏は名目上は「人類」の味方だったが、ペイジ氏は「デジタル生命は宇宙の進化における自然で望ましい次のステップであり、デジタルマインドを止めたり奴隷化したりするのではなく、自由にさせれば、結果はほぼ確実に良いものになる」と主張した。

マスク氏はペイジ氏に対し、「デジタル生命体が私たちが大切にしているものをすべて破壊することはない、となぜそんなに自信があるのかなど、彼の主張の詳細を明確にするよう」と繰り返し迫った。その結果、ペイジ氏はマスク氏を「種差別主義者」と呼んだ。これが、グーグルがディープマインドを買収した1年後（2014年）、マスク氏がOpenAIを共同設立するきっかけの一つとなった。ディープマインドは、誰よりも早く超知能AGIの構築を目指している。もしディープマインドがペイジ氏のビジョンを実現しようとすれば、それは「人類」にとって非常に現実的な脅威となるため、マスク氏はそれを容認できないと考えている。