沖縄県にミバエというハエの仲間がいて、マンゴーやゴーヤーなどの果実の中にうじ虫が寄生してしまうんです。このミバエを不妊虫放飼法という方法で根絶したことがありました。

昔は沖縄のゴーヤーなどを割ると中にうじ虫がいることがありました。ですから、この根絶プロジェクトが始まる前は、植物防疫の観点から沖縄で取れた特定の野菜や果物を本土に出荷することが法律で禁止されていたんです。

根絶方法としては「ハエ工場」とも呼べる施設でミバエのうじ虫を大量に人工飼育します。そして、サナギになった段階で放射線を照射する。このとき照射量をうまく調整すると生殖能力を失わせることができるんです。つまり、交尾はできるけれども子孫を残せないオスになるわけです。

そのオスをヘリコプターなどを使って沖縄の野外に大量にばらまく。すると野生のメスがそのオスと交尾しても卵は生まれませんよね。沖縄が本土に復帰した1970年代から国家的なプロジェクトとして始まって、大きな成功を収めました。