2025年7月3日、EU外務・安全保障政策上級代表カヤ・カラス氏との会談中、中国の王毅外相は「ウクライナでロシアが敗北するのを見たくない」と述べた。
王氏は、中国がロシアの勝利を確実にするとは明言しなかった。また、武器供与の計画を示唆したわけでもない。彼は公私を問わず、「もし中国が物質的な支援を提供していれば、紛争はとっくに終わっていただろう」と述べてきた。
EUと米国に対し、ロシアを崩壊に追い込むことは、中国を非常に困難な立場に追い込み、そこから抜け出すには損害を被ることになるという警告を発しているのだ。
キエフの利益はモスクワを不安定化させる程度にとどめなければならない。ロシアの分断は、新疆ウイグル自治区やチベットにおける中国の利益にはならない。ロシアの破壊は、彼らに必要な物資(例えば石油)の供給を保証するものではない。
中国の行動パターンは、依然として言説とは乖離している。ロシアとの貿易は依然として活発で、近年は二国間貿易額が過去最高水準に達している。また、民生用物資の提供やロシアの制裁回避支援も行っている。しかし、直接的な軍事支援については未確認のままであり、中国政府は一貫してその一線を越えたことを否定している。
中国の望みは明白だ。中国が望んでいるのは弱体化し、依存的なロシアであり、勝利した帝国でも崩壊した国家でもない。王氏は、もし中国が軍事支援を行っていたら、ロシアは既に勝利していただろうと、むしろ率直に述べた。王氏の真のメッセージは脅迫ではなく、行間にある。「ロシアが勝利し、強大化するのを見たくない」ということだ。そうすることで、中央ユーラシアは戦略的に管理可能であり、緩衝地帯は維持され、西側諸国の注意を逸らすことなく済む。
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