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  • ・句を耳で聞く方式の句会では、意外性のある言葉を最後に置く方がオーディエンスの驚きが大きい、つまりリアクションがいいってことになる。必然的に、オチが最後にくる句が好んで書かれるようになったんだって。

  • ・「祭」という季語には「人が多い」とか「花火を見る」という情報があらかじめ入ってる。だから祭を詠む時に「人混み」とか「花火」について書く必要はない。この「あらかじめ入ってる」っていう感覚が季語の肝なんじゃないかな。

  • ・自分の作品のことは自分が一番よくわかってるって思いがちだけど、本当は全然そんなことないんだよね。他の人に読んでもらってはじめてわかることがたくさんあるから、そのためにも本のかたちにしておくことが大事だと思うんだ。

  • ・映画の冒頭に「われは傷口にして刃、いけにえにして刑吏」っていうボードレールの『悪の華』の一節が掲げられているのをみて、正反対の言葉を強引に結びつけてしまう「にして」の魅力に憑りつかれたんだ。

  • ・幽霊はイマジネーションの産物だと昔からいわれているが、そうではない。イマジネーションの欠如の産物だとライルはいう。

    ・イマジネーションが足りないと幽霊をつくってしまう。幽霊というのは、ある種のイリュージョン、思い込みがそれにあたるかもしれません。

  • ・ダニにとっての「世界」は、光と酪酸のにおい、そして温度感覚、触覚のみで構成されている。ダニのいるところには森があり、風が吹いたり、鳥がさえずったりしているかもしれないが、その環境のほとんどはダニにとっては意味を持たない。

  • ・人間は理屈にしたがってものを考えるので、理屈が通ると実証されなくても信じてしまう。実は人間の信じているものの大部分はそういうことではないだろうか。

  • ・東大の理学部に入って、その話をすると、「なぜ」を問うてはいけないといわれた。なぜいけないのですかと聞き返したら、「なぜ」を問うことはカミサマが出てくる話になってしまう。How(どのように)は聞いてよいが、Why(なぜ)を聞いてはいけないといわれ、そのことを疑問に思った。

  • ・世間で「年をとる」ということは、つまりは「いなくても構わない人になっていく」ことです。

  • ・自分のためではなく、「人のため」と考える。やりたいことではなく、「やるべきこと」をする。そこを目指せば、「生きていてよかったな」と思える日々が重なっていくはずです。

    ・死に際して、「まあ、そこそこの人生だったかな」「いいことも悪いこともあったが、とりあえず生きたな」と思えれば十分だと、私は思います。