ロンドンの公認タクシー運転手。この資格を得るには、数年間かけて『ナレッジ試験』と呼ばれる試験を受けるが、ロンドン中心部のチャリング・クロスを起点とする半径10キロ以内の何千もの通りを含む320の主要なルートを覚えなければならない。受験生は通常、海馬(記憶をつかさどる脳の部位)が大きくなることが報告されている。
引用ジャングルは同名のTumblrページからインポートしています
最新の知見を知るサイト
-
-
生成AIを触っている人は、自分で絵が描けないけど絵が出てくるからうれしいという動機の人が多いように感じます。でも、絵は描けないけど、作品作りに参加したいという人には、その架け橋のツールになる可能性はあると思います。
僕はAIに任せっきりで出したものをそのまま完成として公開してしまう流れはあまり好ましくないと思っています。本作は、元素材を加工してAIに入れ、描き出された絵の変な部分を人が描き換えたり、さらにもう一度AIに入れるという感じで、人が手を加えてAIに入れることでクオリティーの高い作品を目指して作っています。そのように、例えば自分が描いてきたイラストをアニメにするとか、さらに上へ高めていくとか、AIをツールとして使って、クオリティーを上げていくという視点でAIを使ってほしいなと思っています。 -
クリエイターにとっては、手で塗っていたものがグラフィックソフトのバケツツールになり、そこにAIでさらにいろいろとできるようになるというだけでしかないと思います。AIはツールであり、楽観的に捉えれば、便利ツールがさらにたくさん出てきて、創作しやすくなると思います。
CGをやっている人も同様で、AIに手をつけ始めている人が多い。今はAIという流れがあるので、そこに乗らないと淘汰されてしまう。CGもツールの進化に伴ってツールを乗り換えてきたわけですが、それをできない人たちは違う分野に進むしかない。そして今はAIが既存ソフトウェアに組み込まれていく段階で、今後は使わざるを得なくなっていきます。
CG系のスタジオではAIを取り入れていくことが多くなっていくと思います。ただ、作画やアニメの現場を中心に、反発があったり、生理的に無理という意見があったりするのは事実で、かつ当然な反応なので、アニメスタジオでの導入はまだまだ時間が掛かると思います。 -
アニメでは手描きは手描きで残る気がしています。逆にCGのセルルックアニメは消えていき、そこにAIが入るのではないかと考えています。セルルックで最後にレンダリングすると、1枚作るのに何時間も掛かったりします。それを数百枚回すとなるとワークステーションレベルで10台組むとして全部で数千万円掛かります。それでいて修正は作画し直したりと時間が掛かります。その点AIなら短い時間で設備投資も少なくてすみます。
-
AIはやってみないとわからないところがあります。このようなカットを作りたいと言われてもやってみないとわからず、できますと言い切れないのがモヤモヤします。何回も試してみるといいものが出てくることがあるのでなんとか担保していたのですが、やってみないとわからないというのはデメリットでした。
-
CGはロジカルな技術ですが、AIは直感的な技術で、ここからここまでの直線も引けません。構造物が苦手と先ほど言いましたが、AIは計算して描画しているわけではなく、学習した中から描画しているだけなので、直線が生成されるときにロジカルな理屈ではないわけです。
CGでは絶対に崩れないのですが、AIは直感技術なので、ここにこれがあるということを理解しないで描画します。学習したデータから、ここにこういうものがあるっぽいという形で描画します。人体の構造も理解していないので、たとえば指を描くのに、ここに何かあるということで爪を描いたりするのですが、とんでもない位置だったりします。今まで学んできたものから察するにこんな感じだろうという描き方をしてきます。 -
代表的なところではやはり手ですね。AIが描くとどうしても壊れてしまって、指の数が多かったりして、人が直さないとどうしようもなく、最後の最後まで課題でした。
あと中割ができなかったと思っています。アニメを作る上でAIに期待されているのが原画と原画の間の動きを描いてくれることがよく挙げられますが、今回はテレビアニメとして流せるレベルまで至らず採用しませんでした。一応出てくることは出てくるのですが、どこか破綻していたり、人が描いたものに比べるとはるかに劣ることが多かったです。機械的な動きならいいのですが、AIには時間の連続性のような概念がないため、変な動きになったりします。 -
作品の終盤に巨大な丸い穴の内側に落ちる滝が出てくるのですが、手描きでは厳しいし、CGでコストが高くついてしまう。これまでの手法ではどの方法でも大変でしたがAIでは一発で出力できました。
あの滝はCGで作るとたぶん2ヵ月くらい掛かります。まず海を作って、監督のチェックを通す時間があり、その後中に落ちていくように作るのにまた数日時間が掛かる。それが今回きれいな滝にできました。
CGプロデューサーとして海を担当した経験があるのですが、これが大変なんです。海面のシミュレーションの演算にとんでもなく時間が掛かるし、スーパーコンピューターを借りたくなるくらいの計算量です。それがポチっと一発で出てきたのは本当に感動しました。
ぜひ見ていただきたいのは髪がなびくシーンです。我々しかできないような秘密の隠し味の変換をしていて、手描きではたいへんだというシーンができています。あと靴やカップ。昔だったらべた塗りのところに細かいディテールになっていて、AIならではという感じになっています。
作品全編通して、髪の毛の揺れはすごいです。普通は専属の人がいるくらいたいへんな作業ですが、CGで作ったモデルを元にAIが書き出すというアプローチがうまくいきました。 -
AIは構造物に弱くて、例えば背景にイスを置くと、穴の部分がぐにゃぐにゃになってしまったり、どこかが潰れてしまったりするので、人の手で補完する必要があります。最終的にはすべての要素で人の手を加えて、AIで厳しい部分を補いました。
-
背景は1カットあたり30~40枚作ったので1000枚以上は作りました。普通のアニメではそういうことはできないです。あと、アニメーターが時間をかけて作ったものにリテイクは出しづらいし、時間も掛かるのですが、AIだとチェック側も、もう少しこうできないかと言いやすい。人が描くのではなく、パラメーターなどを調整してレンダリングするのでリテイクをかけやすいということはあります。