メタ・プラットフォームズの広告収入は2017年の399億ドルから2022年の1136億ドルへと増加している。
引用ジャングルは同名のTumblrページからインポートしています
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私が言いたい最も重要なことは、AIは人類を補完すべきものであって、人類を代替するものではないということです。AIは人間自体ではありません。むしろ、自分たちが何者かを教えてくれる存在です。
実に面白い時代に生きていますね。私たちは「人間とは何か」という、哲学者たちが何千年もかけて考えてきた疑問に答えるための、魔法の杖を得たのではないでしょうか。
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今日のイラストレーターの中には、生成AIによって負の影響を受けている人もいます。この強力で安価なツールのせいで、今後も収入が減っていくでしょう。しかし生成AIが独創的なアーティストたちに取って代わることはないはずです。それどころか、すでに生成AIを使って新しい形態のアートを生み出しているアーティストもいます。
これは労働のあらゆる場所で教訓となります。たしかに新しい技術であるAIはいくつかの職業を代替するでしょう。しかしその技術を使って、以前は不可能だったこともできるのです。
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写真と絵画の関係について考えてみましょう。写真は革新的技術としては非常に興味深いもので、芸術制作だけではなく実は雇用にも大きな影響を与えました。19世紀に写真技術が誕生した時、多くの美術評論家や画家はその参入に異を唱えました。評論家の言い分はこうでした。「写真は未熟な者の領分であり、真の芸術を創作できない」。これは、今日のAI生成画像に対して人々が抱く、「魂がない」「芸術ではない」といった感想に通じます。
しかしふたを開けてみれば、画壇の大部分は写真の誕生に影響を受けませんでした。写真は画像を生成する一つの方法にすぎず、あらゆる画像をつくれるわけではなかったからです。非常に高い技術を持つ画家は、写真とは異なる取り組みをしていたので影響を受けませんでした。
たとえば絵画では、印象を大きく左右するのはキャンバスに載った絵の具の質感です。一方、写真はフィルムに現像された質感のない画像であり、印象はまったく異なります。しかし肖像画は写真に代替され、雇用は大きな影響を受けました。画家に肖像画を描いてもらうより、時間がかからず安く済む写真撮影を選ぶ人が出てきたのです。
雇用への影響はマイナス面だけではありませんでした。写真は肖像写真という新しい市場を生み出し、新たな雇用の創出にもつながりました。肖像画を描くことはできなくても写真を撮る仕事ならできると、新たにその職に就いた人もいました。写真技術のまったく新しい可能性を見出した人もいました。一部の画家は、新しい形の芸術を創造するツールとしてすぐさま写真を取り入れたのです。
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ここ数年で生成AIは、言語生成と理解、創作的なライティングとストーリーテリング、抽象的な推論と問題解決、視覚芸術の創作、音楽の作曲といった能力において大きな進歩を遂げています。これらは人間だけができると長らく考えられていたものです。
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すべてのLLMが抱える問題は、平均的なデータからは平均的な結果しか出せないということです。身近な表現を借りるならば、「ゴミを入れたら、ゴミが出てくる」(garbage in, garbage out)といえます。つまり、質の悪いデータでLLMを学習させると、結果も質の悪いものになるということです。
しかし、これらのLLMは大量のデータを必要とするので、インターネット全体の広大な領域で学習させることになります。データセットを高品質のソースに限定してしまうと、データ不足により十分な学習をさせられません。つまり、LLMのデータセットには、ノーベル賞作家の作品もあればSNSサイトの個人投稿も含まれているのです。
その結果、ユーザーに結果を戻す時点でLLMは高い水準のアウトプットを出せません。なぜなら広大な範囲のデータを寄せ集めただけにすぎないからです。このようにして、LLMを使った生成AIから得られる結果は平均に向かいます。極端に良くも、極端に悪くもありません。
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「機械学習、特に深層学習はビッグデータに依存せざるをえない。しかしビッグデータはいまのところ平均的な情報の寄せ集めにすぎない。したがって、人間の高度なスキルには太刀打ちできない。AIの力を借りれば『平均的なレベル』にはなれるが、それ以上にはなれない」
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AIのファッションモデルには、人間のファッションモデルよりも多くの利点があります。どんな髪型や体型のモデルも生成でき、着せる服や背景もすべて自由に選んで組み合わせることができます。しかも人間のファッションモデルを起用した撮影に比べ、費用はわずかで済みます。こういったAIモデルはいまでは幅広く使われています。企業の中にはコストの大幅削減と売上アップに成功したところもあります。顧客基盤の非常に細かいニーズにも容易に対応できるからです。
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キャリアを通して機械学習に携わってきた私があえて言いますが、LLMを含む基盤モデルが実際に何をしているのかを完全に理解している人はいません。これらが今後社会のさまざまな場面に組み込まれていくことを考えると、非常に恐ろしく感じます。
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私たちにはよくわからない理由で失敗することも頻繁にあります。たとえば、2023年には「逆転の呪い」(reversal curse)に関する論文が発表されました。
「トム・クルーズの母親は誰か」と質問すると、どのLLMも「M. L. ファイファー」と正しく答えます。
しかし「M. L. ファイファーの息子は誰か」という質問には答えられません。
不思議ですよね。人間なら直感的に質問と答えを逆転して考えることができます。そこに深い理解は必要ありません。しかし、すべてのLLMは推論の方向を逆転させる能力をまだ獲得していないようです。