あの場面でも「とにかく声を低く出してください」と指示を頂いていて。自分が出せる限りの低い声でずっと「私は真面目、私は真面目……」と何テイクか重ねるなかで、OKが出たのがオンエアされたものになっています。何テイクもやらせていただいたことも人生で初めてでしたし、#3ではひとつのエピソードであんなにたくさんの役を演じたこととか、そもそもあまり声を荒げたり感情をさらけだしたりするようなこともなかったから、すごく大変でした。#4のエンディングが終わったあとの、いわゆるCパートの絶叫も2、3回撮り直していて、声の出し方についていろいろ悩んでいました。でも監督が「喉を壊さないように」と気遣ってくださりなるべく短いテイクでやらせていただき、それと現場ではZoomでアフレコに立ち会われている方もいらっしゃったんですが、私の絶叫がノイズキャンセルでマイクで拾われなかったみたいで(笑)、それも思い出になっています。
引用ジャングルは同名のTumblrページからインポートしています
最新の知見を知るサイト
-
-
モーティスの演技については監督からは「子供っぽく」というディレクションを頂いていて、モーティスは表に出てきたばかりだから、まだ感情に落ち着きがない感じを出してほしいと言われていました。#4の終盤でムジカが解散する流れになったときに「え? 何でそんな話になるの?」とか「やだやだ!! 絶対やだ!!」とか、大人びて説得するような言い方ではなくて、感情が先走ってしまう感じを強く意識してお芝居しました。あとはやっぱり睦ちゃんとのギャップが脚本と絵の時点でできているんですが、それに負けないくらいのギャップを作ったほうがいいなと思ったので、声色や言い回しでもすごくギャップを意識していました。
-
とにかくものすごく複雑なお話だからこそ、あるエピソードだけの解釈だと今後に繋がらないようなこともあるので、そういうときに監督から「将来的にはこうなっていくんだ」とお話ししていただけると、演技プランも立てられるし、別のお芝居の仕方も考えられるようになるので、大変ありがたかったです。丁寧に接していただけてすごく嬉しかったです。#3から#5あたりのエピソードでは、事前に完成前の台本を頂いていて、テストとして監督の前でお芝居して解釈に間違いがないか確認していました。
-
明確に睦に複数の人格があるということを知らされたのは、たしか『It’s MyGO!!!!!』が終了して『Ave Mujica』のアフレコが始まるタイミングだったと思うんですが、柿本広大監督が今後の演技のために丁寧にいろいろ教えてくださいました。アフレコが始まる前にわざわざブースを移動して「今後の展開ではこうなります」といったことを教えてくださるから、演技をするうえではとてもありがたいと思っています。
-
特に『MyGO!!!!!』や『アヴェ・ムジカ』はストーリーが複雑に絡み合っていて、登場人物の感情を注意深く追っていかないと物語を完全に理解できません。また、一見するとわかりにくい監督の選択もたくさんあります。
海外の視聴者の多くが、キャラクターやストーリーに真剣に取り組んでおり、作品を取り巻く熱狂を目の当たりにしていることに、驚きと深い感動を覚えました。
-
『It’s MyGO!!!!!』と『アヴェ・ムジカ』では、特に光と影の表現にチャレンジしました。私たちが制作するセルシェーディングアニメーションは、立体物をより平面的に変形させるのですが、CGIでライティングを施すと、モデルの歪みが露呈してしまうことがあります。実際、影の表現は私たちにとって永遠の課題でした。
-
構成的には、第1期となった『 It’s MyGO!!!!!』が積み上げ役だとすると、第2期となる『アヴェ・ムジカ』は、第1期の答えを出しつつ、物語を進めていくという二重の役割を担っています。当然、全体的な情報密度は高まります。また、『アヴェ・ムジカ』には、登場人物が真意を隠しているミステリーやサスペンス、バンドの音楽性や世界観から漂うホラー調といった独自の要素があり、2つの物語の対比がより顕著になりました。これらの要素が、『アヴェ・ムジカ』と『MyGO!!!!!』の対比を一層際立たせています。
-
MyGO!!!!!とアヴェ・ムジカは同時に構想されていました。アニメのタイトルはIt’s MyGO!!!!!とアヴェ・ムジカと分かれていますが、全体の構成は当初、2つのバンドと10人のキャラクターを追う1つのドラマ、全26話のストーリーとして構想されていました。
実際のバンドとのスケジュールの関係で、MyGO!!!!!が先に開発され、その脚本が事前に発注されました。その間、私たちはアヴェ・ムジカのストーリーを並行して形作っていました。しかし、脚本を書き始めると、キャラクターによって物語が独り歩きし、私たちが予想もしなかった方法で導かれました。
-
アヴェ・ムジカで若葉睦を描くにあたり、彼女の性格や「無邪気さ」をより深く探究しました。その探求の中で、モーティスが現れ、純粋で無邪気な睦を2つの性格に分裂させました。モーティスは両親から受け継いだ絶大な才能の体現者であり、対照的に睦はその才能を否定することで生まれた性格です。これにより、シナリオにもう1人のキャラクターが追加されたため、既存のストーリー構成では元のペースで物語を進めることができなくなりました。その結果、第4話あたりまで進んでいたにもかかわらず、すべてを最初に巻き戻して脚本を一から作り直さなければならなくなりました。
-
若葉睦ですね。彼女はある意味、従来のBanG Dream!の枠組みから最も外れたキャラクターで、心理的なアプローチを取り入れた描写をしています。彼女のおかげで、アヴェ・ムジカの物語に深みが増したと思います。