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  • 明確に睦に複数の人格があるということを知らされたのは、たしか『It’s MyGO!!!!!』が終了して『Ave Mujica』のアフレコが始まるタイミングだったと思うんですが、柿本広大監督が今後の演技のために丁寧にいろいろ教えてくださいました。アフレコが始まる前にわざわざブースを移動して「今後の展開ではこうなります」といったことを教えてくださるから、演技をするうえではとてもありがたいと思っています。

  • 特に『MyGO!!!!!』や『アヴェ・ムジカ』はストーリーが複雑に絡み合っていて、登場人物の感情を注意深く追っていかないと物語を完全に理解できません。また、一見するとわかりにくい監督の選択もたくさんあります。

    海外の視聴者の多くが、キャラクターやストーリーに真剣に取り組んでおり、作品を取り巻く熱狂を目の当たりにしていることに、驚きと深い感動を覚えました。

  • 『It’s MyGO!!!!!』と『アヴェ・ムジカ』では、特に光と影の表現にチャレンジしました。私たちが制作するセルシェーディングアニメーションは、立体物をより平面的に変形させるのですが、CGIでライティングを施すと、モデルの歪みが露呈してしまうことがあります。実際、影の表現は私たちにとって永遠の課題でした。

  • 構成的には、第1期となった『 It’s MyGO!!!!!』が積み上げ役だとすると、第2期となる『アヴェ・ムジカ』は、第1期の答えを出しつつ、物語を進めていくという二重の役割を担っています。当然、全体的な情報密度は高まります。また、『アヴェ・ムジカ』には、登場人物が真意を隠しているミステリーやサスペンス、バンドの音楽性や世界観から漂うホラー調といった独自の要素があり、2つの物語の対比がより顕著になりました。これらの要素が、『アヴェ・ムジカ』と『MyGO!!!!!』の対比を一層際立たせています。

  • MyGO!!!!!とアヴェ・ムジカは同時に構想されていました。アニメのタイトルはIt’s MyGO!!!!!とアヴェ・ムジカと分かれていますが、全体の構成は当初、2つのバンドと10人のキャラクターを追う1つのドラマ、全26話のストーリーとして構想されていました。

    実際のバンドとのスケジュールの関係で、MyGO!!!!!が先に開発され、その脚本が事前に発注されました。その間、私たちはアヴェ・ムジカのストーリーを並行して形作っていました。しかし、脚本を書き始めると、キャラクターによって物語が独り歩きし、私たちが予想もしなかった方法で導かれました。

  • アヴェ・ムジカで若葉睦を描くにあたり、彼女の性格や「無邪気さ」をより深く探究しました。その探求の中で、モーティスが現れ、純粋で無邪気な睦を2つの性格に分裂させました。モーティスは両親から受け継いだ絶大な才能の体現者であり、対照的に睦はその才能を否定することで生まれた性格です。これにより、シナリオにもう1人のキャラクターが追加されたため、既存のストーリー構成では元のペースで物語を進めることができなくなりました。その結果、第4話あたりまで進んでいたにもかかわらず、すべてを最初に巻き戻して脚本を一から作り直さなければならなくなりました。

  • 若葉睦ですね。彼女はある意味、従来のBanG Dream!の枠組みから最も外れたキャラクターで、心理的なアプローチを取り入れた描写をしています。彼女のおかげで、アヴェ・ムジカの物語に深みが増したと思います。

  • CRYCHICが解散し、 MyGO!!!!!とAve Mujicaに分かれるという案は、プロットの初期段階から出ていて、すでに合意を得ていました。そこで、まずはCRYCHICのメンバー5人を決めることに注力しました。詩の天才だがコミュニケーションに苦戦する燈を中心に、才能を見抜いて舞台を提供する祥子、彼女の才能にすっかり魅了されてしまう立希、自分の才能に気付いていないそよ、そしてどちらにも属する可能性を秘めた睦を配置しました。

    その後、残りの 5 人のメンバーを、それぞれのバンドで探求したいテーマに沿って配置しました。キャラクター設定、家族背景、過去のトラウマ、人間関係などをさらに詳しく調べることで、彼らの個性を洗練させ、つながりを再構築しました。このプロセスにより、最初のプロットの基礎が築かれました。

    シナリオを進めてキャラクターを動かしていくと、彼らの感情がさらに明確になりました。各ステップで彼らのプロフィールを継続的に洗練させ、彼らの自然な行動が展開されるにつれて、彼らの関係はさらに複雑になっていきました。

  • 本作では、これまでの「バンドの解散」「実力の差」「言葉の力」といった、バンドリではあえて避けてきたテーマを描きたいと考えていました。そういったテーマを意識しながら、キャラクターを丁寧に物語の中に配置していきました。

  • Ave Mujica は前作と同じ世界を舞台にしているので、学校やライブハウスにいる既存のキャラクターをイースターエッグとして登場させることにしました。また、立希が Afterglow を、祥子が Morfonica を慕うといった要素は、 BanG Dream!の世界観に新バンドを定着させ、バンド独自のアイデンティティを確立しつつも、バンドの世界観と自然なつながりを保てるようにしています。もともとIt’s MyGO!!!!!とAve Mujica は、 BanG Dream! の世界観とは全く別のものとして構想されていました。そのため、シナリオを書く際には、既存バンドと新バンドの関わりを意図的に避けました。結果的に、この距離感はバランスが良く、新バンドが自分たちの道を切り開きながらも、世界観の一部であると感じられるものになったと思います。